変奏曲 (竹宮惠子)
著者: 竹宮惠子 / 増山法恵・原作
出版: マガジンハウス
1974年に発表された、クラシック音樂漫畫の原点とも云える作品です。氣鋭のスペイン人ヴァイオリニストと、神童と称されたドイツ人ピアニスト兼指揮者。若き二人のヴィルトゥオーゾを巡る、豊麗な音樂ドラマ。上下巻。連載時のカラー扉繪、カラー頁を全てオリジナルに忠実に再現した復刻版です。
- 変奏曲
- 人嫌いで通った若き音樂評論家ホルバート・メチェック(ボブ)は、リサイタル会場で謎の美少年と擦れ違う。後日、少年と再会(?)した彼は、あるネタを元に、少年に関係を迫ろうと目論む。ボブとエドナンの出会いの章。 ……と云うか、いきなりこんな展開なのか ^ ^;
(初出:「別冊少女コミック」 1976年3,4,5月号) - ヴィレンツ物語
- 正規の音樂教育を受けぬまま、持ち前の感性だけでヴィレンツ音樂院ヴァイオリン科にに主席合格したスペイン人留學生エドアルド・ソルティ(エドナン) 彼の奇矯な振舞いや、最上級のハンネス・リヒターに対する反発を、リヒターへの憧憬や焦燥と見て取ったボブは、エドナンに音樂教育を授けることを申し出る。その後、紆余曲折を経て、舞台上で競演する迄のエドナンとリヒターの心の交流と、リヒターの早過ぎる死までのエピソード。
(初出:「花とゆめ」 1974年9月号) - 椿館の三惡人
- 評論家・ボブの伯父が彼に遺した瀟洒なスペイン風の邸宅を、人は椿(カメリア)館と称した。その館に集う三惡人(無論これは言葉の綾)ボブ、エドナンとアメリカの富豪アラン・マーチンが賭けを始めた。「今から5人目に出会った相手を一番早く落とした者の勝ちとする」 但し、相手の台詞は必ず 「“Ich leidenschaftlich liebe dich(熱烈に貴方を愛しています)”でなければならない」
5人目に、彼等の前に現れたのは、なんと行き倒れの少年だった。
(初出:「別冊少女コミック」 1975年9月号) - ランボーとヴェルレーヌのように
- ボブのパリ取材旅行に同行したエドナン。行く先々でガールハント(死語)ばかりするエドナンと、(さり氣なく)ブチ壊して回るボブ。ナンセンスなフレンチ風ラブ・コメディ。
(初出:「JOTOMO」 1977年4月号) - 附録
- 鼎談:前篇。「マンガとクラシック音樂の馴れ初め」(竹宮惠子、増山法恵、大友直人)
『風と木の詩』 のイメージと結構被るなあと思ったら、これらのお話、どうやら並行して進んでいたらしい。エドナンとジルベールが、色んな意味で似ています。下巻は、神童ハンネス・リヒターの生い立ちや、彼の妹アネットとエドナンの出会いに関するエピソード。若きヴィルトゥオーゾのパトロンをもって任ずるボブが、結構いい味出してます。
尚、掲載順は古い順ではなく、エドナンが主軸のような並び順。まあ、私は今回初めて讀んだので、さして氣にはならなかった。強いて云えば、価格が少々ネックか。このテの復刻版って矢鱈と高い。それでも無論、見掛けたら手に取らずにはいられないんですけども!
